08/06/2000 16:48
Reporting by Atsuya Yoshida@Kyoto Institute of Technology from Stanford, California, USA
なんとおだやかな面持ちのご夫妻だこと。この左側の人物が今回の主人公、S.S.スブラマニアンさん。82歳。インド人。話をしてくれたのがビデア・ラクシュマンパシィさん。彼女はスタンフォード大学の4年生。ユーザビリティ&コミュニケーションデザイン専攻。スブラマニアンさんの孫にあたる。おじいちゃんとEメールやってる、ということなんだけど、それは正確ではない。おじいちゃん「が」孫とEメールやってるってお話。そのインタビューの途中に飛び出した言葉がコンピュータ・ベースト・ファミリー。すっげぇ。と思った。
 
CBF:Comupter-based familyは安直には電脳家族ということなんだけど、そう訳しちゃニュアンスが伝わらない。「コンピュータによるコミュニケーション(CMC:Computer Mediated Communication)を基盤に展開される交流がひとつのキーになった家族」とでも言おうか。
 
ビデアさん家族は、おじいちゃん、おばあちゃん、おとうさん、おかあさん、ビデアさん、弟さんの6人で暮らしていた。楽しい温かい家庭だそうだ。ところがビデアさんがスタンフォード大学へ入学して、離れてくらすようになった。そしてさびしくなったのがおじいちゃん。孫との会話はおじいちゃんにとって大切なものだったらしい。おじいちゃんのさびしい日々は続いた。孫のビデアさんが帰ってくる週末などが待ち遠しい。そこでビデアさん一家は考えた。Eメールをおじいちゃんに教えよう!
 
今年の初め。ついにおじいちゃんにパソコンを導入した。先生役はお父さん、ビデアさん、弟さん。もちろんおじいちゃんはがんばった。そして祖父と孫とのEメールコミュニケーションがはじまった。どんなパソコンを使ってるかは実は取材できなかったのだけど、メーラーはOut Look Express。インターネットへのアクセスにはケーブルモデムを使っている。そんなPC環境。
 
この種の祖父孫通信の話。あたりまえ、とはまだまだ言えないんだけど、日本でもチラホラ聞くようになった。ちなみにボクんちも祖父孫通信家庭。しかし、ビデアさん一家の取り組みは一味ちがう。びっくりするのはここから。
操作にやはり悪戦苦闘ビデアさんのおじいちゃんは年齢的にだんだん耳が聞こえなくなってきた。最近は左耳だけの生活。パソコンのアラーム音やビデアさんたち家族が教える声が聞こえにくい。おまけにマウスのクリックがうまくできない。だからパソコンを学習したり操作したりするのに不自由が多く悪戦苦闘する。そこでビデアさんのお父さんは考えた。おじいちゃん専用のホームページを作ろう! それは自己紹介などのいわゆるホームページではなくて、おじいちゃんがアクセスするサイトやメールソフト起動のためのいわば「スイッチ用ページ」。おお、素晴らしいではないか。ラクシュマンパシィ家独自のおじいちゃん向けインタフェース。
 
家族へのまなざしビデアさんのおとうさんはコンピュータのエキスパートだそうだ。だから専用スイッチHPができた、とは思わない。創意工夫というけれど、各地各所に離散しがちな家族とその中心たるおじいちゃんのコミュニケーションをいかにしてキープするか。それが家族維持のためにどれほど大切かを知っているのだと思う。技術開発の原点だ。
 

インターネットでパワーアップビデアさんのおじいちゃんはインターネットパワーを賦与され意気盛ん。世界各地にいる親戚にEメールする。ネットサーフして政治、経済、国際問題などのニュースにもアクセスする。嬉々とした毎日らしい。


<aCb>ボクのオフィスはCSLIのCordura棟121。机の前の窓から明るい日差しが注ぎこむ。なのにバイオがご機嫌斜め。困った。

   
次回は老人ホームで毎週WebTVの講習会をやってるデービッド・ランズデール博士のボランティア活動について。お楽しみに!
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