08/03/2000 22:08
Reporting by Atsuya Yoshida@Kyoto Institute of Technology from Stanford, California, USA

スタンフォード大学の言語情報研究センター(CSLI)で行われているアルキメデスプロジェクト。それは「情報は誰もが共有できてこそ情報」。そのためにはコンピュータ科学の力を最大限に発揮し、ハンディキャップをものともせず誰もが同じように情報にアクセスできるようにする。そして快適に暮らしを実現する。こんな基本思想のもとに展開されている。真髄は「情報技術を梃子(てこ)に障害や障壁をスイッと動かしてしまおう」って発想。なるほど。だからアルキメデスなんだ。

ところで、この種の研究開発、一般的には福祉工学(assistive technology) なんて呼ばれている。けどアルキメデスプロジェクトはそれじゃどうもシックリこない。うーん。
 
アルキメデスプロジェクトのアイデア。これカッコイイってこことじゃない。「新しいものが出現しても古いものを捨てなくていいんだよ」という思想。 左の写真にある扇風機、電気スタンドがそれを物語る。「これで十分、特に変える必要を感じない」ものは身の回りに多い。それがちゃんと最新式コンピュータにつながり、トータルに制御できることはとっても大事。もちろん「古いvs新しい」という枠組みに限らない。台所vsオフィスなど、種類やジャンルの違うものを平気で繋ぐ。これがスマートってこと。
 
すべてをスマートに繋ぐにはそのための共通のプロトコルが必要なのは言うまでもない。アルキメデスプロジェクトではその役割をブリッジと呼んでいる。そしてそのブリッジとなる概念がTAS(タス)であり、アルキメデスプロジェクトのオリジナルとして注目を集めている。TASを実現する実際のモノはTAP(Total Access Port)。いわゆる弁当箱みたいなものなんだけどこれがまたえらく賢い。現在はシナプスという会社が製作販売しているが、開発には日本の貢献もあったそうだ。がんばってるニッポン。

プロジェクトリーダー は ニール・スコットさん(Neil G Scott)。ホームランドはニュージーランド。話しだしたら止まらない。技術開発の話題が満載。加えてダイエット食の知識と実行力もピカいち。

 
人が集まるプロジェクトアルキメデスプロジェクトの最大の魅力はこれだ。ほとんど毎日といっていいほ見学者がやってくる。もちろ

んプロジェクトには世界中からそして多方面からの参加があり、毎週水曜のミーティングには障害をもった人は

もちろん、会社を引退した技術者、近所のおばさん、アーティスト、心理学の大学院生、海外からの客員研究員などを含めたスタッフが白熱した議論を展開する。まさに開かれた大学。いや開かれたCSLI。
 
<aCb>スタンフォード大学構内を走るキャンパスドライブ。そこから分かれるパナマ通りに面してCSLIはある。スパニッシュな平屋建て。どうみても小粋なレストラン風。ここに世界の英知が集まる。空間設計がにくい。ランチが楽しい。
 

次回は孫とのメール交換に燃える82歳のおじいちゃんとそれを支えるPC家族のインタフェース開発のお話。お楽しみに!
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